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■担当コンサルタント
印南 和行 上田 剛史 榎本 和裕
印南 和行 河西 茂行 中村 晃子 上田 剛史 榎本 和裕


32 肩を寄せ合っていいのは? 河西

「恋人同士!」
ブッ、ブー。

「それは勿論、身近な弱い者同士でしょう。」
人情派の素晴らしい解答ですが、
これが建物の話になると、不正解になってしまいます。

阪神大震災で密集地に大きな被害が出たのは周知のとおりですが、
これらの倒壊した住宅の中には、ドミノ倒しのように、
隣の建物の倒壊によって押し倒されたものが多くありました。

市街地では間口の小さい敷地が多く、
そこでは2・3階建ての低層住宅が横幅いっぱいに建てられ、
隣家と50cmも離れず建ち並ぶのが普通の姿です。

こうした奥に長い建物は、概して間口方向の揺れに弱く、
耐えきれなくなった家は、隣に向かって倒れていきます。
このとき倒れられた方が、もし耐震改修していたらどうでしょうか?

自分が揺さぶられるのを踏ん張るのがやっとの状態で、
さらに同じだけの横からの重量を支えろと言われたら、
たとえ相当の耐震強度があっても、無理ですよね。

では、どれだけ隣と離れていれば大丈夫でしょうか?

倒壊パターンで多いのは、1階が層崩壊するものです。
基礎を除いた1階部分だけが倒れる場合を仮定すると、
おおむね2.8m以上離れる必要があります。

それぞれの家が、境界線から1.4m以上離して建てねばならず、
例えば同じ神戸市でも、北区の郊外住宅地ですら、
地区計画による制限が隣地から1m以上が最大であることを考えると、
都心に近い地域では、ほとんどがドミノ倒しの危険があることになります。

自分の住まいを丈夫なものにすることは、自分の生命・財産だけでなく、
他人をも守ることになります。

逆に脆弱な建物を放置して、近隣に被害を与えたときは、
賠償責任を負わされるかも知れません。
もはや全てを天災のせいにできない時代になりつつあります。

一軒一軒が大地に踏み堪える力をもってこそ、
互いに寄り添い合った暮らしができるのではないでしょうか。










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