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内覧会の素朴な疑問(新築一戸建て編)


分譲マンション購入者に比べると、一戸建て購入者の方が物件に対する不安感が少ないように感じます。
それは注文住宅に限らず、建売住宅の場合であっても。

そんな気持ちの裏側には、
○一戸建てはマンションと違って、工事中の状態を見れるから安心
○ハウスメーカーが建てているから安心
○高スペックな物件だとパンフレットに謳っているので安心
○設計図がたくさん揃っているから安心

こういった思いがあるようですが、本当に安心できるものなのでしょうか。
達人に聞いてみました。

○一戸建てはマンションと違って、工事中の状態を見れるから安心?
きちんと工程に併せて、しっかりチェックを行なっていれば安心だよ。
ただし、専門知識を備えている人がチェックした場合に限るから、やみくもに何となく見に行っているだけでは、安心には繋がらないかな。

○ハウスメーカーが建てているから安心?
経験から言うと大手ハウスメーカーでも、物件によって品質には大きなバラツキがあるんだ。
というのも、ハウスメーカーが直接施工することは少なく、地元の工務店などに下請けに出すケースがほとんど。
結局、実際に施工する職人さんの技術と、現場を取りまとめる現場監督の技量によるところが大きい。
極端な言い方だけど、大手で買える安心は「施工品質」ではなく「入居後のアフターサービス体系」だろうね。
少人数の工務店だと、会社の体力上「入居後のアフターサービス体系」をしっかり整備できないから早急な対応は望めないけど、大手ならそこは強みになるからね。
アフターサービス体系がしっかりしているのは素晴らしいけれど、ハウスメーカーだからといって住宅の品質までは安心できないのが現実なんだ。

○高スペックな物件だとパンフレットに謳っているので安心?
建物のスペックは高いに越したことはないけれど、パンフレットだけでは判断できないよ。
パンフレットや設計図の通りに建てられているかどうか、ここがポイント。
もし違っていれば、絵に描いた餅で安心してることになってしまう。
さらに言えば、その仕様は本当に高いのか。
当たり前のことをさも特別な施工をしているかのように表現しているパンフレットが本当に多いんだ。
専門家が見れば「何を当たり前のことを買いてんねんっ!」と突っ込むようなことでも、一般の人にとっては「よく分からないけどスゴク良さそう」と思ってしまうんだよね。

○設計図がたくさん揃っているから安心?
確かにこれは安心材料になるね。
しかし、同じことを言うようだけど、果たして設計図通りに建てられているのかがポイント。
過去に調査した物件の中には、設計図は完璧だけど実際の建物は違法建築物だったというケースもあったんだ。
これは、仕様や設計図を把握していない職人さんの判断だけで建てられてしまったのが原因。
本来ならば、現場監督や設計監理者によるチェックが入ることにより回避できたハズだから、設計図が揃っていても安心とは言いきれないんだよね。

まとめると、安心できる材料がたくさん揃っているに越したことはないけど、最終的に実際の建物をチェックしなければ「本当の意味での安心は得られない」ってことですね?

入居後のアフターサービスもあるけれど、不具合を全て補修してもらえるワケではないので、引渡しを受ける前の内覧会は、いわば最後の砦というカンジだね。



では実際に達人はどんなチェックをするのか解明しちゃいます。
今回は、「新築一戸建て内覧会(施主検査)立会い/専門コース・特殊機材オプションつき」に同行してきました。

お部屋の中に入ると、まずは依頼者ご夫婦と売主・施工会社の方に調査の概要を説明します。
「何を使って、どのようにチェックするのか。そして検査基準は何か。」

 皆「へぇ〜」ってカンジです。

説明を終えると早速チェックのスタートです。
一戸建てならではの様子をご紹介しましょう。


★外周★
まずは外周をグルっと回って敷地境界石(隣地との境を示すもの)をチェック。
ここは押さえておかないと。
境界が明確でないと、後々に大きな紛争が起きるかもしれない。
だからこれは重要なチェックポイントなんだ。

★床下・小屋裏(天井裏)★
今回の物件は床下と小屋裏に点検口がありましたので、両方チェックできました。
 
主なチェック項目は
・漏水や雨漏りがないか
・断熱工事はしっかり行なわれているか
・構造部材が適正に配置されているか
・構造金物が適切に使用されているか
・コンクリートにひび割れ(クラック)がないか

この5項目は仕上材によって隠れてしまうので、床下や天井裏でチェックするんだ。
構造部材や構造金物は建物の耐震性に大きな影響を及ぼすアイテムだから、万一適正な位置に配置されていなければ、早急に対処しなければ危険だよね。
クラックの有無はもちろん、またそれが構造に対してどれほどの影響を及ぼすものなのかを判断する。

この日、床下に潜ること1時間!
でもこれだけ色々と確認できるのですから、それも納得ですね。


* * * * * * * * * * *

○通常コースと専門コースの違いは?
新築一戸建て内覧会(施主検査)立会いサービスには、通常コースと専門コースがありますが違いは何ですか?

大きな違いは、床下と小屋裏のチェック方法だよ。
今回は専門コースだから、上の写真のように中に入って細かくチェックしているけど、通常コースの場合は中には入らず点検口から覗いて見える範囲でのチェックになるよ。

要は、チェック項目は同じで確認する範囲が違うということなんですね!



○特殊機材を使うと何が分かるの?
新築一戸建て内覧会(施主検査)立会い/専門コースには、特殊機材がオプションで選べるようになっていますが、特殊機材を使うと何が分かるのですか?

・鉄筋検査器を使用してコンクリートのかぶり厚さを抽出チェック
かぶり厚さが適正でなければ、コンクリートの寿命が短くなってしまうんだ。
ということは、建物自体の寿命にも大きな影響を及ぼすことになるよね。
万一かぶり厚さが足りなければ、売主に対策を講じてもらわなけらばならない。

・電気抵抗式木材水分計を使用して、木材の含水率をチェック
木材が十分乾燥されていないと柱や土台にひび割れが出てきたり、反ったりと入居後に影響がでてくる場合があるからね。
それに含水率がやたらと高かったら、どこかから水漏れしているかもしれない。
そのまま放っておくと、カビや菌が発生して人体に影響を及ぼしかねないから要チェックだよ。

・サーモグラフィーカメラで、怪しい温度分布をチェック
例えば外壁から雨漏りしていたり断熱材が欠けていれば、そこだけ温度が下がるから分かるんだ。
それだけでなく壁材で隠れている柱や筋交いも写るから、図面とおりに配置されているか確認が出来るよ。

※現地の状態により確認できない場合もございます。

・ファイバースコープカメラを使用して狭い所や細部をチェック
今回の物件は2階建てだけど、一部1階にも屋根があるタイプ。
この場合、下屋(1階の屋根)裏の断熱材施工を忘れているケースが多いから要注意なんだ。
今回はちょうど良いポイントに照明器具があったから、電球を外しファイバースコープカメラを入れて確認できたよ。
また他にも怪しい箇所があってね、キッチンのレンジフードから中を覗いてみると、換気ダクトがどうも潰れているように見えたから、同様にファイバースコープカメラを使用して確認してみたら、案の定潰れていたよ。

なるほど、このカメラでは疑わしい箇所を確実に確認することが出来るわけですね。
「建物の胃カメラ」ってカンジ!




ひととおりチェックが終わると、達人が確認した指摘項目だけでなく、依頼者自身が指摘した項目も併せて業者に報告します。
すると、業者が補修するかどうかと補修方法について専門用語を使って答えるので、はっきり言ってチンプンカンプン。

一般の方にも分かるように説明する業者もいるんだけど、そうでない場合はその回答が適切かどうか判断しながら、依頼者が納得できるように交渉するよ。
項目によっては、補修するとその跡が余計に目立ってしまうケースもあるから。
ムリに補修して更に悪くなってしまったら、誰にとっても良い結果にはならないからね。

確かに補修しない方がいいってアドバイスを業者から聞いても「本当は補修するのがイヤだからかな」と疑ってしまいますよね。
だけど第三者からのアドバイスだったら納得できますね。

他にも「これは許容範囲内だから」とか「これは一般的だから」という理由で補修を拒否されるケースもあるようだよ。

そう言われてしまったら、多くの建物を調査している専門家でなければ判断できないですね。
さすがに業者も専門家に対しておかしな言い訳は出来ないから、達人の存在が見えない力になるってことですね!


○補修確認は、どうすればいいいの?
再内覧会で指摘項目がきちんと補修されているかって専門家でなくても判断できますか?
それとも再内覧会立会いも達人に頼んだ方がいいってことですか?

これは現地で指摘項目の説明をする時に、確認方法も併せて説明するから大丈夫。
また報告書にも記載するから簡単に確認できると思うよ。

なるほど、それなら専門家でなくても出来ますね。
でも床下や小屋裏は難しいですよ。
調査道具もないし、指摘箇所まで辿り着けないから無理じゃないですか?

確かにムリだね。この場合は、業者に<補修前>と<補修後>の状態を写真撮影してもらうといいよ。
その際は工事用黒板に、日時と場所を必ず書いてもらうこと。
そうすれば工事中の間に撮っていた過去の写真を代用される心配もないしね。

* * * * * * * * * * *

今回の依頼者が専門家に調査を頼もうと思ったキッカケを聞いてみました。
「パンフレットと現地が相違している部分が多数あり、それが構造に関する部位だったので、自分では判断が出来ませんでした。その他素人でも分かるような不具合があっても、やり直すことなく工事が進んでいて不安になりました。」

その相違箇所のひとつは、鋼製束と土間コンクリートとの接地部分でした。



現地はこのように足元が少し盛り上がっていますが、パンフレットには、このような盛り上がりのない写真が掲載されていたそうです。
これが適正な状態なのか、そして建物の構造に影響はないのか、専門知識がなければ判断できませんし心配になりますよね。



“自分の家” を購入するからには、少しでも安心して住みたいですよね。
頻繁に補修が必要になったり、早々に建て替えなんて避けたいもの。

内覧会でしっかりチェックしておけば、安心して暮らせそうですね。





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